
沐浴法
沐浴法とは、お湯をためた浴槽に精油を落とし、入浴することで鼻と皮膚から精油成分を取り込む方法です。沐浴法は、皮膚の洗浄、血行の改善、リラクセーション、筋肉の緊張緩和などに役立ちます。
また、精油は水に溶けにくい性質があるため、精油を直接、お湯に落とすのではなく、植物油、塩、ハチミツなどに混ぜて入浴剤をつくる方法もあります。
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全身浴【精油の量】 1~5滴以下
【方法】 浴槽にたっぷりお湯をため、5滴以下の精油を落とし、よくかき混ぜ、全身をつけて入浴します。 -
半身浴【精油の量】 1~3滴以下
【方法】 浴槽にみぞおちがつかる程度のお湯をため、3滴以下の精油を落とし、入浴します。ぬるめのお湯に20~30分程度つかるのがポイントです。上半身が冷えないようにタオルなどをはおっておくと良いでしょう。 -
部分浴【精油の量】 1~3滴以下
方法】 洗面器などにお湯を入れて、3滴以下の精油を落とし、よくかき混ぜ、温めたい部位をひたします。部分浴には、「手浴法(しゅよく)」、「足浴法(そくよく)」、「座浴法」があります。
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手浴法
洗面器か洗面台のシンクにお湯を入れ、3滴以下の精油を落とし、よくかき混ぜます。そこへ、両手を入れ、手首までひたします。手浴は、冷え症、肩こり、頭痛などの症状を和らげ、風邪で全身浴できないときにも活用できる便利な方法です。
足浴法
大きめの洗面器やバケツにお湯を入れ、3滴以下の精油を落とし、よくかき混ぜます。そこへ、両足を入れ足首やひざ下まで、ひたします。足浴は、椅子に座りながらできるため、足や腰に負担少なく高齢者でも楽しむことができる方法です。
座浴法
大きめの洗面器やバケツにお湯を入れ、3滴以下の精油を落とし、よくかき混ぜます。そこへ、お尻の部分をつけて座る方法です。痔や便秘などの症状を和らげるのに役立ちます。
リラックス効果を高める全身浴のすすめ
仕事、家事、子育てと忙しい毎日、「お風呂はシャワーですませている」という方も多いでしょう。しかし、そんなときこそ、全身浴でしっかり温まることが大切です。その理由は、40度前後のお湯につかると、副交感神経が優位になりリラクセーション効果が高まるからです。その他にも、全身浴には次のようなはたらきがあります。
- 温まる
身体が温まると、血管が広がり血液循環が良くなります。 - 身体の負担が減る
プールに入ると身体が浮くように、お風呂につかると体重が9分の1程度になります。すると、普段体重を支えている筋肉の緊張がほぐれ、脳への刺激も減少し、心の緊張もほぐれます。 - 心肺機能が高める
お湯の中では、ウエストが約2センチ細くなります。これは、水圧により全身に負担がかかっている状態だからです。しかし、その水圧が、横隔膜を押し上げ肺を小さくすることで、身体は酸素を補おうとします。
その結果、呼吸の回数が増え、心肺機能が高まり、血液循環も促進するというわけです。
さて、ここに精油をプラスするとどうでしょうか。精油の殺菌作用、鎮静作用など加わるとともに、好きな香りは、なによりの癒しになります。是非、全身浴に精油を活用してみて下さい。 
湿布法
湿布法とは、精油をしみ込ませたタオルを湿布したい部位にあてる方法です。急性のトラブルには冷湿布法が、慢性のトラブルには温湿布法が効果的です。
【精油の量】1~3滴以下
【方法】洗面器などにお湯(または冷水)を入れて、3滴以下の精油を落としタオルに含ませます。それをしぼり湿布したい部位に貼ります。
注意事項:湿布が皮膚に密着するため、皮膚の刺激や使用時間に注意しましょう。
Lesson5-2 まとめ
・全身浴で使用できる精油は「5滴以下」である
・浴槽にみぞおちがつかる程度のお湯をため、精油を落とし、入浴する方法を「半身浴」という
・半身浴や部分浴で使用できる精油は「3滴以下」である
・部分浴には、「手浴法」、「足浴法」、「座浴法」がある
・40度前後のぬるめのお湯を使用した「全身浴」は、副交感神経が優位になりリラクセーション効果が高まる
・「湿布法」とは、3滴以下の精油をしみ込ませたタオルを湿布したい部位にあてる方法である
・急性のトラブルには「冷湿布」を使う
・慢性のトラブルには「温湿布」を使う