料理でおなじみの「オリーブオイル」、テレビで話題となった「ココナッツ油」、このような植物油をアロマ&ケアでは精油を希釈するための「基材」として使用します。ここからは、植物油に注目してみていきましょう。
植物油について
植物油は、精油を溶かすという特徴があり、精油成分を効果的に皮膚へ運ぶことができます。そのため、植物油を「キャリア(運ぶ)オイル」と呼ぶこともあります。
また、天然素材の植物油は、皮膚への負担が少なく、浸透性も高いため、アロマ&ケアの基材として頻繁に利用されます。とくに、精油を希釈してつくるトリートメントオイルとして重宝されていますが、植物油のみで使用しても価値があるものです。
トリートメントオイル以外の植物油の利用法
ミネラルやビタミンを豊富に含む植物油は、皮膚に薄く伸ばすことで顔や身体へのスキンケアに利用できます。また、洗髪後、髪の毛になじませれば、ヘアケアにもなります。
その他に、入浴剤として使うと皮膚への刺激が少なくなり、なめらかなお湯を楽しめます。ただし、お風呂場で植物油を使うときは足が滑りやすくなるため気を付けましょう。
植物油の選び方と保存
精油と植物油の組み合わせは、自由です。植物油は、サラサラした感触、しっとりとした感触など使用感がそれぞれ違います。まずは、自分で試してみることです。テスターを手に取ってみたり、最初は少量サイズのものを選んだり、自分好みの植物油を選びましょう。
また、植物油は、精油と同様に直射日光や高温多湿を避け、遮光性ガラス容器で保存してください。劣化した植物油は、色やにおいが変わり、身体に悪影響を及ぼす可能性があるため使用しないで下さい。開封後は、なるべく早く使い切りましょう。
それぞれの植物油の特徴
①スイートアーモンド油
スイートアーモンドの種子から採れる植物油です。無色~淡黄色で、わずかに香しいアーモンドのにおいします。ややしっとりとした感触で、肌に優しくあらゆる肌質に向いています。ベビーマッサージ用のオイルとしても重宝されています。

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②オリーブ油
オリーブの果実から採れる植物油です。淡黄色~淡緑黄色で、酸化しにくい特徴があります。また、保湿効果や栄養価の高いため、スキンケアに向いています。薬局でも購入できる身近な植物油です。

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③マカデミアナッツ油
マナデミアナッツの種子から採れる植物油です。淡黄色で、わずかににおいがあります。酸化しにくく、長期保存も可能です。皮脂に似た成分のパルミトレイン酸を含み、肌になじみやすく、乾燥肌の人にもおすすめです。

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④ホホバ油
ホホバの種子から採れる液体ワックス(ロウ)です。無色~黄色で、酸化しにくく、品質が安定しています。保湿力が高くあらゆる肌質に合う、スキンケアからヘアケアまで使える植物油です。とくに、乾燥肌に向いています。

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⑤グレープシード油
ブドウの種子から採れる植物油です。無色~緑色で、ほとんどにおいがありません。ビタミンやミネラルを豊富に含み、サラサラとした感触で、オイリー肌に向いています。アロマ&ケアではトリートメントオイルとしてよく利用されます。ただし、酸化しやすいため長期保存には向きません。

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⑥椿油
椿の種子から採れる植物油です。淡黄色で、わずかににおいがあります。日本では古くからヘアケアに使われています。酸化しにくく、保存しやすい植物油です。紫外線から髪や肌を保護するはたらきがあり、サンオイルとしても使えます。

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⑦ココナッツ油
ココヤシの果実から採れる植物脂です。白くて、甘く優しい香りがします。サンオイルやヘアケアに利用さています。常温では固まってしまいますが、手のひらで温めると溶けて使いやすくなります。酸化しにくく品質が安定しています。

⑧セサミ油
ゴマの種から採れる植物油です。黄色で、ほとんどにおいはありません。酸化しにくく、長期保存も可能です。セサミ油は、食用としておなじみのゴマ油ですが、焙煎した茶色いゴマ油はアロマ&ケアでは使えません。しかし、食用でも透明の太白(たいはく)ゴマ油はトリートメントオイルとしても利用できます。

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Lesson5-5 まとめ
・アロマ&ケアの基材として利用される植物油は、「キャリアオイル」とも呼ばれる
・劣化した植物油は、身体に悪影響を及ぼす可能性があるため使用しない
・「植物油」は、ヘアケアや入浴剤としても利用できる
・「スイートアーモンド油」は、ベビーマッサージに利用できる
・「オリーブ油」は、保湿効果や栄養価の高く、オリーブの果実から採れる植物油である
・皮脂に似た成分のパルミトレイン酸を含む植物油は、「マカデミアナッツ油」である
・「ホホバ油」は、液体ワックスで酸化しにくく、品質が安定している
・「グレープシード油」は、酸化しやすいため長期保存が難しいが、アロマ&ケアではトリートメントオイルとして利用されている
・日本では古くから「椿油」をヘアケアに利用してきた
・ゴマの種から採れる植物油を「セサミ油」いい、太白ゴマ油はトリートメントオイルとして利用できる