精油の種類は200~300種類あるといわれており、アロマ専門店では30~40種類の精油が並んでいます。そのため、「いざアロマ&ケアはじめよう!」と思っても、どの精油を選んで良いか迷ってしまいます。
そこで、まず使い勝手が良く、安全性の高い、初心者向けの精油3本をご紹介します。精油の抽出法や薬理作用なども復習しながらみていきましょう。
1、真正ラベンダー
(科名:シソ科 産地:フランス、オーストラリア、ブルガリア 抽出部位:花、葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用、殺菌作用、抗菌作用、防虫効果)

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鮮やかな紫と穏やかで甘い香りが人気のラベンダーは、毎日使える「使用頻度№1」の精油です。歴史などを通して、これまでもラベンダーのことにはたくさん触れてきましたが、ラベンダーの精油には鎮静作用やリラクセーション効果などメンタルケアから女性特有のケアまで幅広く対応しています。
加えて、殺菌作用、抗ウィルス作用などもあり風邪予防や肌トラブルにも使えます。
さて、ラベンダーといえば、「北海道の富良野」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、原産はヨーロッパのアルプス地方にあり、ヨーロッパではハーブや香水、虫よけとして古くから使われてきました。日本では、香料を採る目的で昭和初期から栽培がはじまりました。
また、アロマ&ケアで使用するラベンダーは「真正ラベンダー」という種類です。その他にも、スパイクラベンダー、ラバンジン、フレンチラベンダーなど香りや効果が違うラベンダーが数多くあります。購入するときには名前を確かめるようにしましょう。
2、ティートリー
(科名:フトモモ科 産地:オーストラリア、ジンバブエ 抽出部位:葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:鎮静作用、鎮痛作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用)

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フレッシュ&スパイシー、インパクトのあるグリーン系の香りがするティートリーは、プロも愛用する万能な精油です。ティートリーは、古くからオーストラリアの先住民族であるアボリジニたちの薬でした。
彼らは、ティートリーの葉を砕いてケガや傷の治療に使ってきました。また、第二次世界大戦ではフランス人医師ジャン・パルネが負傷した兵士にティートリーを用いたことも有名です。
ティートリーの精油は、強力な抗菌作用や免疫力を高める作用があり、感染症や風邪予防に役立ちます。さらに、抗真菌作用も高いことからニキビや水虫のケアにも適しています。芳香浴で空気をキレイにしたり、ちょっとした肌トラブルに使ったりと手元に置いて損はない精油です。
安全性が高いといわれる精油ですが、まれに皮膚刺激を起こすことがあるため使用量や使用回数に注意しながら使いましょう。
3、オレンジ・スィート
(科名:ミカン科 産地:イタリア、 ブラジル、アメリカ 抽出部位:果皮 抽出方法:圧搾法)
(主な作用:鎮静作用、鎮痛作用、抗菌作用、加温作用、食欲増進作用)

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まるで陽だまりにいるような甘くフルーティーな香りのオレンジ・スィートは、日本人が好む精油のひとつです。その理由は、日本には、みかん、ゆず、甘夏、はっさくなど柑橘系の植物がたくさんあり、子供の頃からその香りに触れ、親しんでいるため柑橘系の香りに対して安心感があるのです。
その証拠に、海外では日本人ほど柑橘系の香りを好みません。オレンジ・スィートの精油は、神経の緊張や消化器系にはたらきかけ、神経性の胃痛や下痢を緩和し、さらに食欲を促します。心理面でも気分を明るく前向きにしてくれます。比較的低価格で手に入るため、はじめて精油を購入する方にも安心です。
ただし、柑橘系の精油は、酸化しやすく、保管状況に大きく左右されるため、古くなるとフレッシュな香りが失われます。開封後は6か月以内に使用しましょう。
Lesson6-1 まとめ
・ラベンダーはシソ科の植物で、精油は花と葉から水蒸気蒸留法で抽出され、鎮静作用や鎮痛作用がある
・ティートリーはフトモモ科の植物で、オーストラリアで先住民族のアボリジニたちが薬として使ってきた歴史がある
・ティートリーの精油は、葉から水蒸気蒸留法で抽出され、抗真菌作用が優れておりニキビや水虫のケアにも適している
・オレンジ・スィートはミカン科の植物で、精油は果皮から圧搾法で抽出され、食欲増進作用がある
・オレンジ・スィートの精油は、酸化しやすいため、開封後は6か月以内に使用する