Lesson6-2 精油のガイド2(ローズマリー、レモン、ペパーミント)

ラベンダー、ティートリー、オレンジ・スィートを前回紹介ました。これらの精油が扱いに慣れたら、もう少し精油の種類を増やしてみましょう。ここからは、あると便利な精油をご紹介します。

4、ローズマリー

(科名:シソ科 産地:フランス、スペイン、モロッコ 抽出部位:葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:去痰作用、収れん作用、鎮痛作用、粘液溶解作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、頭脳明晰作用、刺激作用)

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昔、タンスの中にあった樟脳のような力強い香りがするローズマリー。古くから薬草として使われ、中世ヨーロッパの「ハンガリー王妃の水」の主成分としても有名です。

現在、スーパーで購入できる料理用のローズマリーは、肉料理の香りづけとして使われています。これは、もともと肉の腐敗を防ぐためものです。

さて、ローズマリーの精油は、鎮痛作用があり筋肉痛や肩こりなどのクールダウンにも最適です。他にも、刺激作用頭脳明晰作用があるため、香りの力を借りれば仕事や勉強の記憶力&集中力アップにもつながります。

さらに、ローズマリーの精油成分「1.8シネオール」には、痰などの粘膜を溶かす粘液溶解作用があるため、風邪など呼吸器系全般にもはたらきかけます。皮膚に対しては、皮膚を引き締める収れん作用があり、脂性肌のケアに向いている精油です。家庭では、園芸用としても手に入りやすく比較的育てやすい植物です。

また、ローズマリーの精油には「シネオール」と「カンファー」の2種類のタイプがあり購入時には確認が必要です。「カンファー」は脳に良い刺激を与えますが、神経毒性があります。使用量は、低濃度からはじめましょう。

そして、乳幼児、妊娠中、授乳中、てんかんの症状がある方は細心の注意を払いましょう。

5、レモン

(科名:ミカン科 産地:アメリカ、イタリア、スペイン、 抽出部位:果皮 抽出方法:圧搾法)
(主な作用:鎮静作用、殺菌作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、消化促進作用)

酸っぱく爽やかな香りがするレモン。誰もがその酸味から「ビタミンC」をイメージするのではないでしょうか。しかし、レモンの酸味の正体はなんと「クエン酸」です。

さて、レモンの原産はインドで、その後、十字軍の遠征とともにヨーロッパへ持ち込まれたといわれています。日本では、広島、愛媛、熊本などで生産されています。レモンの精油の特徴といえば、「ブレンド力」です。どんな精油とブレンドしても自然とバランスの整った香りになります。

はじめてブレンドを楽しむ方でも安心して使えます。実際に、市販の香水にもよく利用されています。また、レモンの精油をルームスプレーとして使うと、空気をキレイにして風邪やインフルエンザの予防に役立ちます。心理面では、気分や意識を高めるはたらきがあるため、気持ちを切り替えたいときや1日がはじまる朝に使うと良いでしょう。

ただし、光毒性があるため、日中、皮膚に塗布しないようにして下さい。

6、ペパーミント

(科名:シソ科 産地:アメリカ、イギリス、オーストラリア、イタリア 抽出部位:葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:頭脳明晰作用、鎮痛作用、鎮静作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、抗真菌作用)

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みなさんもご存知の歯磨き用品やチューインガムの香り、ペパーミント。刺激のあるスッーとした清涼感のある香りが印象的です。日本では、「セイヨウハッカ」と呼ばれ、昔から親しまれています。

ペパーミントの精油は、胃腸や頭痛のケア、肩こりや筋肉痛、花粉症や風邪予防など幅広くオールマイティに使え、香りを嗅ぐだけでひんやりと涼しさを感じることができます。心理面では、ストレスがたまっているときやスピーチなど上がってしまいそうな場面で使うと、高ぶった精神を鎮めて平常心を取り戻すことができます。

また、虫が嫌うペパーミントの香りは、精油をアルコールと精製水で薄めると虫よけスプレーを手作りすることができます。ただし、ペパーミントの精油成分「メントン」には抗菌作用や粘液溶解作用がある一方で神経毒性があります。乳幼児、妊娠中、授乳中、てんかんの症状がある方は細心の注意を払いましょう。また、皮膚刺激があるため低濃度から使用しましょう。

 

Lesson6-2 まとめ

ローズマリーはシソ科の植物で、中世ヨーロッパの「ハンガリー王妃の水」の主成分となった

・ローズマリーの精油成分「カンファー」、ペパーミントの精油成分「メントン」には神経毒性があり、乳幼児、妊娠中、授乳中、てんかんの症状がある方は細心の注意が必要である

・レモンは、ミカン科の植物で、精油は果皮から圧搾法で抽出される

・レモンの精油には、光毒性があるためアロマトリートメントなど皮膚に塗布するときには注意が必要である

・ペパーミントはシソ科の植物で、精油は葉から水蒸気蒸留法で抽出され、頭痛や肩こりの緩和に役立つ