Lesson6-3 精油のガイド3(ゼラニウム、ユーカリ、グレープフルーツ、ローズ)

7、ゼラニウム

(科名:フウロソウ科 産地:フランス、レユニオン島、スペイン、モロッコ 抽出部位:葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:ホルモン調整作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用、鎮静作用、収れん作用)

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華やかで甘く女性らしい香りを持つゼラニウム。ローズと同じ芳香成分を含むため「ローズゼラニウム」とも呼ばれています。ホルモン調整作用があるゼラニウムは、女性の強い味方になる精油です。

たとえばホルモンバランスの乱れから起こる月経前の不快感や月経痛、更年期障害の緩和に役立ちます。また、心理面でも落ち込んだ気分やイライラする気持ちをコントロールして、ストレスを和らげてくれます。

その他、ゼラニウムの精油成分「ゲラニオール」には、強い抗菌作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用があります。スキンケア効果にも優れており、ベタベタ&カサカサとアンバランスな肌質を整えてくれます。

ゼラニウムは、ローズマリーと同様に園芸用としても手に入りやすく比較的育てやすい植物です。実際に育てて、フレッシュな香りが楽しむのも良いでしょう。

8、ユーカリ・ラディアタ

(科名:フトモモ科 産地:オーストラリア、中国 抽出部位:葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:去痰作用、抗炎症作用、鎮咳作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、免疫強化作用)

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コアラの主食として有名なユーカリ。その種類はなんと600種類ともいわれ、生命力にあふれる植物です。ユーカリの精油には、「ユーカリ・グロブルス」「ユーカリ・ラディアタ」「レモン・ユーカリ」があり、そのうちおすすめしたいのは「ユーカリ・ラディアタ」です。

この精油は、他のユーカリと比べると、優しく清涼感のある香りが特徴で、気分をリフレシュさせたり、集中力を高めたりするほか、抗ウィルス作用によって風邪予防にも役立ちます。

とくに、花粉症の方にとっては常備しておきたい1本です。他のユーカリの精油、「レモン・ユーカリ」は、レモンをイメージさせるような強いグリーン系の香りで、虫よけ効果ありますが、皮膚刺激感作性に注意が必要です。

「ユーカリ・グロブルス」は、森の中にいるような清々しい香りで、肺や気管支へはたらきかけます。しかし、どの精油も「1.8シネオール」という刺激の強い成分が含まれているため、低濃度から使用しましょう。

9、グレープフルーツ

(科名:ミカン科 産地:アメリカ、イスラエル、ブラジル 抽出部位:果皮 抽出方法:圧搾法)
(主な作用:抗うつ作用、抗菌作用、抗炎症作用、抗ウィルス作用、脂肪溶解作用、消化促進作用)

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みずみずしく爽やかで、甘酸っぱさのなかに少し苦みが残るようなグレープフルーツの香り。グレープフルーツの香りは、嗅ぐだけで「やせる」といわれほどダイエットに関する研究が進んでおり、その中には、グレープフルーツの精油成分「リモネン」や「ヌートカトン」が体脂肪の燃焼を促進させるという報告もあります。

その他にも、グレープフルーツの精油は、血液やリンパの流れをスムーズするはたらきがあり、トリートメントオイルやスクラブに使うとむくみ解消やセルライト予防に役立ちます。心理面では、抗うつ作用によって落ち込んだ気持ちを明るくし、精神的疲労を和らげます。しかし、光毒性皮膚刺激があるため使用量に注意しましょう。

10、ローズオットー

(科名:バラ科 産地:ブルガリア、モロッコ、トルコ 抽出部位:花 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:抗うつ作用、鎮静作用、血圧降下作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用、収れん作用、ホルモン調整作用)

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うっとりする甘さと高級感のあるローズの香り。歴史上でも、世界三大美女として知られるクレオパトラや古代ローマの皇帝ネロがバラ好きだったという話や10世紀にはイブン・シーナがバラの花から蒸留法を確立したという話も有名です。

ローズの精油は、女性特有の症状やスキンケア対する効果が高く、世界中で幅広く活用さています。その他、ローズの精油成分「シトロネロール」には鎮静作用や血圧降下作用があり、「ゲラニオール」には強い抗菌作用があります。さて、大量の花からわずかしか採れないローズの精油

は、その貴重さゆえ、高価過ぎて使えないという方も多いはず。それでも、ローズの精油は1滴でも十分パワーを発揮します。オレンジやグレープフルーツなど柑橘系の精油と相性が良く、ブレンドすると、より丸みのある華やかな香りを演出できます。

はじめての方は、1mlの小さなサイズを購入すると良いでしょう。また、ローズは、有機溶剤抽出法によるローズアブソリュートの精油もあります。

Lesson6-3 まとめ

・ゼラニウムはフウロソウ科の植物で、精油には「ホルモン調整作用」があるため女性特有のケアに役立つ

・ユーカリはフトモモ科の植物で、精油は葉から水蒸気蒸留法によって抽出される

・ユーカリの精油成分「1.8シネオール」は、刺激の強いため使用量に注意する

・グレープフルーツはミカン科の植物で、精油には光毒性があり注意が必要である

・「リモネン」や「ヌートカトン」は、グレープフルーツに含まれる精油成分である

・10世紀、イブン・シーナがバラの花から蒸留法を確立した

・クレオパトラや皇帝ネロもバラ好きとして有名である

・ローズオットーはバラ科の植物で、精油は大量の花から、わずかしか採れない貴重なものである