さて、これまで１０本の精油をご紹介しましたが、興味のある精油は見つかったでしょうか？さらに、幅を広げるために精油をご紹介していきます。

11、サンダルウッド

（科名：ビャクダン科　産地：インド、インドネシア、オーストラリア　抽出部位：心材　抽出方法：水蒸気蒸留法）

（主な作用：抗菌作用、抗炎症作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用、鎮静作用、鎮咳作用、利尿作用）

サンダルウッドは、日本で白檀（ビャクダン）と呼ばれ、お香やお線香でもなじみ深い香りです。ビャクダンは、インド東部のマイソール地方で採れるものが有名で、扇子や彫像をつくる材料としても使われています。

さて、どこまでも続くような甘さとオリエンタルな香りが漂うサンダルウッドは、存在感があり母性を感じさせる香りです。そのため、男性に好まれる香りのひとつであり、男性用の化粧品や香水にもよく利用されています。

サンダルウッドの精油成分「サンタロール」は、膀胱炎などの泌尿器系の症状の緩和に役立つほか、優れた殺菌力を持っています。心理面では、鎮静作用が強く、混乱した気持ちやヒートアップした感情をコントロールして平和的な心をもたらしてくれます。

ただし、うつ状態が酷い方は使用を避けましょう。

12、サイプレス

（科名：ヒノキ科　産地：フランス、モロッコ、ドイツ、スペイン　抽出部位：葉と果実　抽出方法：水蒸気蒸留法）

（主な作用：鎮静作用、抗炎症作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、ホルモン調整作用、利尿作用、収れん作用）

檜風呂のようなドライな甘さが香るサイプレスは、ゴッホの絵にも登場する細長く美しい針葉樹です。サイプレスの精油は血液やリンパの流れをスムーズにして筋肉痛を和らげたり、余分な水分を排出してむくみ解消したり、身体の巡りを良くすることが得意です。

サイプレスの精油成分「α-ピネン」は、森林浴の効果があり気持ちをリフレッシュさせてくれます。また、ホルモン調整作用によって更年期など体調がすぐれないときにも活躍する精油です。心理面では、自分の内面をクリアにし、気持ちを引き締めるために役立ちます。

どの精油とブレンドしても相性がよく、特に柑橘系の精油でブレンドすると、マイルドな香りを楽しめます。

13、ジュニパー

（科名：ヒノキ科　産地：ハンガリー、フランス、イタリア、　抽出部位：果実　抽出方法：水蒸気蒸留法）

（主な作用：頭脳明晰作用、解毒作用、抗菌作用、抗ウィルス作用、利尿作用、デオドラント作用）

爽やかな緑の中に、ほんのりライムの果実を感じさせるジュニパーの香りは、精神疲労を回復させネガティブな感情をスッキリと浄化するはたらきがあります。

ジュニパーは、お酒の「ジン」の香りづけとしても有名です。サイプレスと同様に、ジュニパーの精油成分にも「α-ピネン」が含まれており、森林浴の効果があります。

その他、むくみ解消やダイエットなどに役立ち、デトックス効果が抜群です。また、デオドラント作用にも優れているため、汗ばむ夏やスポーツの後に適している精油です。だだし、高濃度で使用すると皮膚刺激が起こることもあります。

また、妊娠中、授乳中、腎臓に疾患のある方は注意して下さい。デトックス作用から腎臓に負担がかかることもあります。

14、イランイラン

（科名：バンレイシ科　産地：フィリピン、マダガスカル、インドネシア　抽出部位：花　抽出方法：水蒸気蒸留法）

（主な作用：抗菌作用、鎮静作用、抗炎症作用、強壮作用、血圧降下作用、催淫作用、収れん作用）

魅惑的で甘くエキゾチックな香りのイランイランは、人によって好き嫌いがはっきり分かれる香りです。イランイラン精油は、数多くの香水にも活用されおり、イランイランという名前には「花の中の花」という意味があります。

イランイランの精油成分「酢酸ベンジル」には気分を高揚させる作用があり、開放的な気持ちにさせてくれます。また、皮膚に対しては皮脂のコントロールする作用があり、脂っぽい肌から乾燥肌まですべての肌に対応できます。

とくに、頭皮やダメージ髪などヘアケアに適しています。ただし、香りが強いため高濃度で使用すると頭痛や吐き気が起こることがあります。車の運転や仕事で集中したいときには、使用を避けましょう。

Lesson6-4　まとめ

・サンダルウッドは、日本で白檀と呼ばれ、その精油は心材から水蒸気蒸留法で抽出される

・サンダルウッドは、インド東部のマイソール地方で採れるものが有名である

・サイプレスの精油は、葉と果実から水蒸気蒸留法で抽出される

・サイプレスとジュニパーは、ヒノキ科の植物で、精油成分に「α-ピネン」を含む

・ジュニパーの香りは、洋酒の「ジン」の香りづけに利用されている

・ジュニパーの精油は、果実から水蒸気蒸留法で抽出され、利尿作用がある

・イランイランという名前には、「花の中の花の中」という意味がある

・イランイランは、バンレイシ科の植物で、花から水蒸気蒸留法で抽出される

・イランイランの香りは、独特で強い香りのため、高濃度での使用は避ける