Lesson6-5 精油のガイド5(クラリセージ、カモミール、ネロリ)

15、クラリセージ

(科名:シソ科 産地:フランス、モロッコ、イタリア 抽出部位:花と葉 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:ホルモン調整作用、子宮強壮作用、通経作用、鎮静作用、抗菌作用)

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紅茶のような苦さと甘さがありハーブ系の香りがするクラリセージは、ピンク色のような淡い紫の花を咲かせる植物です。日本人には、なじみの薄い植物で、この香りを苦手とする方も多いようです。

クラリセージの精油成分「スクラレオール」は、女性ホルモンのエストロゲンと似たような構造をしており、月経不順、更年期障害など女性特有の症状を軽くするのに役立ちます。

心理面でも、ホルモンバランスの乱れから起こる情緒不安やうつ状態を緩和してくれます。こちらもイランイランと同様に、香りが強いため高濃度での使用は避けましょう。

また、通経作用があるため、妊娠中、婦人科系疾患のある方、薬を服用している方は注意しましょう。

16、カモミール・ジャーマン

(科名:キク科 産地:ドイツ、フランス、ハンガリー、エジプト 抽出部位:花 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:鎮静作用、強壮作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用)

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ふんわり甘く草原のような香りが広がるカモミール・ジャーマン。乾燥させてものは、ハーブティーとしても親しまれています。

カモミール・ジャーマンの花は、中央にある黄色の花芯が高く盛り上がっているのが特徴です。(花芯が低く平らな方がカモミール・ローマンです)また、カモミール・ジャーマンの精油は、濃い青色をしており、その精油成分「カマズレン」には、強い抗炎症作用や抗アレルギー作用があります。

そのため、アレルギーやかゆみを伴う皮膚トラブルに役立ちます。さらに、子供の不調、女性特有のトラブルにも使える実力派の精油です。ただし、少し香りが強いため1滴から使用しましょう。

17、カモミール・ローマン

(科名:キク科 産地:ドイツ、フランス、モロッコ、ハンガリー 抽出部位:花 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:鎮静作用、鎮痛作用、鎮痙作用、血圧降下作用、抗炎症作用)

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リンゴを思わせる甘酸っぱい香りがするカモミール・ローマン。その精油成分には、「アンゲリカ酸エステル類」を多く含み、強い鎮静作用があるのが特徴です。

深い悲しみや大きなショックなど、ストレスから起こる頭痛や不眠、肌トラブルに最適な精油です。カモミールは2種類あるため、混乱してしまうかもしれませんが、簡単に説明すると、ジャーマンは身体への作用、ローマンは心への作用と覚えておくと良いでしょう。

カモミール・ローマンの精油は、リラクセーションなど子供から高齢者まで使える精油ですが、こちらも少し香りが強いため1滴から使用しましょう。

18、ネロリ

(科名:ミカン科 産地:チュニジア、イタリア、フランス、モロッコ 抽出部位:花 抽出方法:水蒸気蒸留法)
(主な作用:鎮静作用、鎮痛作用、ホルモン調整作用、抗うつ作用、抗菌作用、抗真菌作用、抗ウィルス作用)

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やや苦く柑橘系のような優雅な香りがするネロリは、ビターオレンジの木に咲く白い花から水蒸気蒸留法で抽出される大変高価な精油です。香水の原料としても長年利用されています。

ネロリの精油成分「リナロール」には抗菌作用あるほか、「酢酸リナリル」には抗うつ作用や鎮静作用があるため、気持ちが落ち着かないときやトラブルを抱えているときに使用すると心を穏やかにしてくれます。

また、精油を抽出するとき得られる芳香蒸留水は「オレンジフラワーウォーター」と呼ばれ、化粧水としても人気です。ただし、ネロリの精油は、香りが強いため低濃度から使用しましょう。

Lesson6-5 まとめ

・クラリセージはシソ科の植物で、精油は花と葉から水蒸気蒸留法で抽出する

・クラリセージ精油成分「スクラレオール」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしている

・クラリセージの精油には、通経作用があるため妊娠中や婦人科系疾患のある方には注意が必要である

・カモミール・ジャーマンはキク科の植物でハーブティーとして親しまれている

・カモミール・ジャーマンの精油は、濃い青色である

・カモミール・ジャーマンの精油成分「カマズレン」には、強い抗炎症作用や抗アレルギー作用がある

・カモミール・ローマンの精油には、リンゴを思わせるような甘酸っぱい香りがする

・「アンゲリカ酸エステル類」を多く含んでいる精油は、カモミール・ローマンである

・ネロリはミカン科の植物で、精油はビターオレンジの花から抽出され、そのとき得られる「オレンジフラワーウォーター」は化粧水としても使える

・ネロリの精油成分「酢酸リナリル」には、抗うつ作用や鎮静作用がある