Lesson7-3 女性の一生

女性の一生と女性ホルモンの変化

女性ホルモンは、「思春期」くらいから分泌されます。20~30代前半は分泌量がピークで、妊娠や出産に最適な時期になります。

しかし、出産直後になると女性ホルモンは減少し、数週間から数か月かけて量は戻っていきます。この急激な変化によって起こるのが「マタニティーブルー」「産後うつ病」です。

さて、30代後半になると、徐々にエストロゲンの分泌量が減少しはじめます。さらに、40代後半からは激減し、これに伴って起こるのが「更年期障害」です。日本人女性の平均閉経年齢50代頃で、これを挟んだ10年間が「更年期」と呼びます。


1、思春期 10代・・・・卵巣が発達し、初潮を迎え、女性ホルモンの分泌が高まる
(おすすめ精油:オレンジ・スィート、グレープフルーツ、ティートリー、ラベンダー)
2、成熟期 20~30代・・・妊娠や出産に適した時期、女性ホルモンの分泌がピークを迎える
(おすすめ精油:ラベンダー、ベルガモット、ゼラニウム、ローズマリー、ローズオットー)
3、中年期 30~40代・・・卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌も低下する
(おすすめ精油:ラベンダー、グレープフルーツ、クラリセージ、ジャスミン)
4、更年期 45~55歳くらい ・・・閉経を挟んだ10年間、卵巣機能の低下が進み、女性ホルモンの分泌量の変化に伴い、人によって更年期障害が起こる
(おすすめ精油:ラベンダー、サイプレス、クラリセージ、ネロリ、ローズオットー)
5、老年期 ・・・女性ホルモンの低下した状態に身体が慣れる
(おすすめ精油:ラベンダー、オレンジ・スィート、ティートリー、フランキンセンス)

妊娠中は芳香浴で、穏やかなマタニティーライフを

妊娠中は、赤ちゃんとお母さんが一体となれる特別な時間です。しかし、楽しいことばかりではありません。妊娠初期のつわりからはじまり、便秘やこむらがえり、妊娠後期には腰痛が悪化するなど身体に負担がかかります。

それに加え、イライラしたり孤独感に襲われたり精神的にも不安定です。そんなときアロマ&ケアは活躍します。「妊娠中に精油を使用して良いのか?」と心配になる方も多いはずです。

確かに、一部の精油には神経毒性、通経作用、刺激作用といった赤ちゃんに影響を及ぼす可能性がある成分が含まれているため100%安全とは断言できません。

しかし、安全性の高い精油を選び、芳香浴に使用する程度であれば問題はありません。ただし、妊娠中は嗅覚が敏感になるので、使用量は1、2滴にします。精油は、オレンジ・スィート、グレープフルーツ、レモンなど柑橘系メインに使いましょう。

マタニティーブルー&産後うつ病

赤ちゃんとの暮らし、女性にとって1番幸せな時期のはずなのに、「なぜか涙が止まらない」「辛くて苦しい」「眠れない」。そんな症状の方はいませんか、自分自身、親戚、まわりの友達はどうでしょうか?

「マタニティーブルー」(マタニティーブルーズともいいます)とは、出産後2~3日から1週間以内に起こる心の変化のことです。イライラしたり、涙もろくなったりしますが、これは病気ではありません。出産直後のホルモンの急激な変化によって、一時的に起こる症状です。

もう一方の「産後うつ病」とは、マタニティーブルーの状態が2週間以上続き、症状が悪化したときに疑われる心の病気です。過去にうつ病にかかったことのある人は、産後に再発するリスクが高いといわれています。産後うつ病が気になったら、赤ちゃんのためにも、早めに医療機関へ受診して下さい。

産後うつ病の主な症状

  • イライラする
  • 食欲がなくなる
  • 眠れない
  • 気分が落ち込み
  • 意欲がわかない
  • 自分の子供が可愛いと思えない
  • 集中力が続かない
  • すぐ疲れるなど

赤ちゃんとの生活、精油が手元になくても・・・

インターネット、テレビ、雑誌などには子育てに関する情報があふれています。そのなかには「お母さんは○○あるべき」「子育ては○○することが肝心」など母親らしい行動や子供へのしつけなど、細かく書かれており、それをやり遂げようとするお母さんもいます。

しかし、実際はどうでしょうか。子供は思い通りにならないのが当たり前です。完璧主義や几帳面なお母さんにとっては、辛いことかもしれません。たとえ、できないこと、上手くいかないことがあってもゆったりした気持ちで受け止め、頑張り過ぎないことが大切です。

赤ちゃんと散歩に出かけたら、地面に咲いている花や葉、木など植物を見て下さい。手元に精油がない場合でも、葉や花に触れたり、果実の香りを嗅いだりすれば、植物からエネルギーをもらえます。これも、立派なアロマ&ケアです。

 

Lesson7-3 まとめ

・女性ホルモンは20~30代前半がピークで、妊娠や出産に最適な時期になる

・閉経を挟んだ10年間を「更年期」という

・一部の精油には神経毒性や通経作用のような胎児に影響を及ぼす可能性がある成分がある

・出産直後のホルモンの急激な変化によって、一時的に起こる心の変化を「マタニティーブルー」という

・妊娠中は嗅覚が敏感になるため、使用する精油は柑橘系を中心に1、2滴、芳香浴で楽しむ

・「産後うつ病」とは、マタニティーブルーの状態が2週間以上続き、その症状が悪化したときに疑われる心の病気である