更年期と上手に向き合う
40代後半、いよいよ更年期へ突入します。更年期による身体の変化は誰にでもあるものです。更年期は女性だけのものと思われがちですが、実は男性にもあります。
しかし、男性の場合、男性ホルモンの「テストステロン」の分泌量が40~60代にかけてゆっくり減少していくため、女性と比べて症状がないという人がほとんどです。
女性は、更年期になると卵巣機能が低下し、エストロゲンが急激に減少します。身体と心は、この急激なホルモンの変化に対応できず、寝汗やほてり、わけもなくドキドキしたり、急に不安になったりといった症状が出るのです。この閉経前後、女性ホルモンの減少によって起こる心身の不快な症状を「更年期障害」といいます。
しかし、この症状は生活環境やストレスが大きく影響します。日常生活に支障が出るほど症状が重い人もいれば、そうでない人もいます。
では、どのように対処すれば良いのでしょうか。そもそも更年期障害で起こるイライラやうつ状態は、主にエストロゲン不足が原因です。
そこで、ホルモン調整作用のあるクラリセージやサイプレスの精油を使いましょう。また、リラックス効果の高い真正ラベンダー、気分が落ち込むときには高揚感を与えるローズオットーやジャスミンの精油も最適です。天然塩に精油を入れて良く混ぜ、湯船に入れて入浴するなど、日常生活の中にどんどんアロマを取り入れることがポイントです。
更年期初期に起こりやすい症状
- ホット・フラッシュ(気温と関係なく、上半身が熱くなり汗をかく)
- 頭痛
- 物忘れ
- 孤独感
- 肩こり
- 頻尿
- 肌のたるみ
- 動脈硬化
- 骨粗鬆症
年齢とともに増える、髪のトラブル
「髪の毛がボロボロ」「髪の毛にツヤやハリがない」「ボリューム感がない」とふっと感じることはありませんか、年齢のせいだから仕方ないと諦めていませんか?では、なぜ年齢とともに髪のトラブルが増えるのでしょうか・・・・。
実は、この髪のトラブルにも女性ホルモンが関係しています。年齢とともにエストロゲンは減少してしまいます。さらに、ストレスや不規則な生活も重なれば、頭皮の血流も悪くなり、髪に栄養が届かず、元気な髪が育たないのです。
また、更年期にさしかかると「頭皮が脂っぽくなる」ということがしばしば起こります。皮脂は、男性ホルモンによって分泌が促されます。女性であっても、男性ホルモンは微量ですが存在しており、女性ホルモンが減ると男性ホルモンが優位になります。
すると、知らず知らずのうちに脂っぽい頭皮になるのです。髪のトラブルを防ぐための基本は、栄養バランスの良い食事、睡眠、ストレス対策、運動です。
また、頭皮の洗い過ぎにも注意が必要です。清潔を意識するあまりシャンプーを何回もするのは悪影響です。必要な皮脂まで奪うことになります。シャンプーの回数は1日1回を目安にしましょう。
また、精油をヘアケアにも活用することができます。たとえば、ホホバ油や椿油などの植物油に抗菌作用や抗炎症作用が優れているティートリーの精油を希釈してヘアトリートメントしたり、無添加のシャンプーに精油を5滴程度入れて自分だけのシャンプーつくったりと活用術はたくさんあります。ただし、精油を直接髪の毛に塗ることは避けましょう。

Lesson7-4 まとめ
・「更年期障害」とは、閉経前後、女性ホルモンの減少によって起こる、心身にあらわれる不快な症状である
・更年期障害には、「ホルモン調整作用」のあるクラリセージの精油が役に立つ
・女性の薄毛や抜け毛などの髪のトラブルに、女性ホルモンの減少が関係している
・ティートリーの精油は、「抗菌作用」や「抗炎症作用」がある
・精油を植物油に希釈してヘアオイルを手作りできる