Lesson8-3 今すぐできるストレスケア

あなたは、ストレス解消に何をしていますか?アロマ&ケアを取り入れるまえに、今すぐできるストレスケアを確認しましょう。

ストレスを減らすための工夫

休息 & 睡眠

ストレス解消や気分転換にと旅行や飲み会へ出かける方も多いでしょう。しかし、この行動が有効なのは心が元気な人のみです。

もし、心を車のガソリンに例えるならば、健康な心はガソリン満タン、うつ状態の心はガス欠中というところです。ガス欠中の車を運転できないのと同じように、うつ状態はどんな行動をするより、エネルギー補給が大切です。なるべくエネルギーを使わず、家の中でゆっくり休むこともときには必要です。

最高の休息は、睡眠です。睡眠といっても、まとめて寝るような寝溜めやダラダラゴロゴロ横になっていることでありません。1日のリズムに合わせた質の良い睡眠です。

通常、私たちは朝になると目覚め、夜になると眠くなります。これは「サーカディアンリズム(概日【がいじつ】リズム)」が存在しているからです。サーカディアンリズムとは、地球の自転リズムである1日約24時間のサイクルをいいます。

私たちの身体は、このサーカディアンリズムによって、明るい昼間は活動しやすいように、暗い夜には眠くなるようにと脳から信号が出て、体温や血圧、ホルモンの分泌を調整しているのです。

しかし、仕事、家事、育児など生活環境からこのリズムが乱れてしまうため、「朝起きられない」「夜なのに寝られない」という睡眠の悩みが増えているのです。では、忙しい現代人が、質の良い睡眠を得るにはどうしたら良いのでしょうか。

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それは、朝起きたらすぐ窓を開けて太陽の光を浴びることです。その理由は、朝の光を感じると24時間のサイクルがリセットされ、新しい24時間サイクルが始まるからです。

さらに、光を浴びた約15時間後には眠りを誘う「メラトニン」というホルモンが脳から分泌されるからです。また、寝る時間も決まった時間にすることが理想です。寝つきをよくするために、芳香浴を取り入れるのも効果的です。

精油は、オレンジ・スィート、スィートマジョラム、ラベンダーがおすすめです。ただし、使用量は1滴だけにして下さい。精油の量が多いと、鎮静作用ではなく刺激作用になってしまうので気を付けましょう。

バランスの良い食事

ストレスに対抗するためには、エネルギーが必要です。また、私たちの身体は寝ているだけでもエネルギーを消費します。

しっかり、必要な栄養素を摂るように心掛けましょう。一般的に、動物性タンパク質と植物性タンパク質は1:1で、1日に必要なエネルギーの約50~60%を糖質(米やいもなどのデンプン質)で摂ることが望ましいとされています。

また、甘いもの、アルコール、コーヒーはほどほどにしてビタミンやミネラルを十分に摂ることです。ビタミンやミネラルが不足すると、イライラしたり、集中力が落ちたりします。

ストレスによって胃腸の働きがうまく機能しない場合は、レモン、オレンジ・スィート、ベルガモットなどの柑橘系の精油を使った芳香浴が食欲を高めてくれます。逆に、食べ過ぎが気になる人は、空腹感を満たす効果があるといわれるグレープフルーツを使いましょう。

六大栄養素の食品例

(タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、食物繊維を六大栄養素といいます)

栄養素
食品例
タンパク質
肉、魚、牛乳・乳製品、卵、大豆製品
脂質
肉、魚、牛乳・乳製品、植物油、卵、バター、マヨネーズ
炭水化物
米、パン、パスタ、うどん、そば、じゃがいも、さとう
ミネラル
カルシウム・・・牛乳、チーズ、小魚、大豆製品
マグネシウム・・・アーモンド、そば、胚芽、ココア
ビタミン
ビタミンA・・・うなぎ、卵黄、緑黄色野菜
ビタミンC・・・パセリ、ブロッコリー、レモン
食物繊維
野菜、果物、穀物、海藻、キノコ

 

運動

少しでも運動することがストレス解消になります。また、運動から得られる適度な疲れで、快適な睡眠につながります。

運動には、その強度の違いによって2種類あります。全力疾走や筋肉トレーニングのような短時間で激しい動きを行なう「無酸素運動」とマイペースな水泳やウォーキングなど負担の少ない動きを長く行なう「有酸素運動」です。

あまり、激しい運動を続けると、それ自体がストレスとなることもあるため、おすすめなのが15分以上のウォーキングです。運動が苦手な人は、買い物に行くときは歩き、エレベターをやめて階段にするなど、小さなところからはじめると良いでしょう。

 

Lesson8-3 まとめ

・ストレス軽減のためには「睡眠」「バランスの良い食事」「運動」が大切である

・地球の自転リズムである1日約24時間のサイクルを「サーカディアンリズム」と呼ぶ

・寝つきをよくするための芳香浴は、香りが刺激にならないように精油の量を少なめにする

・タンパク質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、食物繊維を「六大栄養素」という

・レモン、オレンジ・スィートなどの柑橘系の精油を使った芳香浴は食欲を高める

・「無酸素運動」とは、全力疾走や筋肉トレーニングのような短時間で激しい動きを行なうことである

・「有酸素運動」のウォーキングは、ストレス解消に役に立つ