Lesson8-4 アロマ&ケアとストレスケア

ストレスに対して、アロマ&ケアではどんなことができるのでしょうか?アロマ&ケアが果たす役割を考えていきましょう。

ただし、アロマ&ケアが有効なのは、ストレス症状が軽い方だけです。慢性的なストレスやうつ状態で悩んでいる方は、速やかに病院の治療を受ける必要があります。アロマ&ケアを適切に使いましょう。

ストレスが溜まっているとニオイの感覚が鈍感に・・・

ストレスが原因で嗅覚障害になるケースがあります。嗅覚障害」とは、ニオイの感覚が落ちる症状をいいます。嗅覚障害は、ガス漏れがわかない、腐った物がわからず食べてしまう、料理の味付けできないなどさまざまな問題を起こします。

原因は、慢性副鼻炎や風邪などもありますが、そのなかにはストレスによって起こるものあります。うつ病になると嗅覚や味覚が鈍くなるという傾向があり、五感と心の病気に関連があることがわかっています。

また、強迫障害の中には自分のニオイを異常に臭いと感じる「自臭症」などもあります。もし、自分では自覚がないのに他人から「香水が強い」と言われたり、逆に、ニオイがないといわれているのに刺激臭を感じたりするような場合は、ストレスが溜まっている証拠かもしれません。

主な嗅覚障害

  •  嗅覚脱失(まったくニオイがしない)
  •  嗅覚減退(正常に比べるとニオイがしない)
  •  嗅覚敏感(ニオイ過ぎて困る)
  •  嗅覚錯誤(本来のニオイとは異なるニオイがする)

アロマ&ケアできるストレスケア

アロマ&ケアは、「リラクセーション」「タッチング」「創作活動」の主に3つからストレスに対してアプローチできます。

リラクセーション

好きな香りを嗅ぐことで、副交感神経を優位にしてリラックス効果を得ることができます。また、精油成分が嗅覚から脳、そして心へと作用し、乱れた心理状態を安定させ、ストレスからの解放を促します。

天然塩や植物油に5滴以下の精油を混ぜて入浴したり、精油を1滴垂らしたコットンを寝る前に枕元に置いたりと家庭でのストレスケアに役立ちます。

リラクセーションのために、どの精油を使えば良いかわからないという方は、なじみ深い、レモンのような柑橘系か、ヒノキやサイプレスなどのウッディー系を使うと良いでしょう。

タッチング

あなたはお腹が痛いとき、どうしますか?自然とその部分に手を当てませんか?では、次に想像してみて下さい。気持ちが沈んでいるとき、信頼している相手から肩をさすってもらうとどうでしょうか?少しは気持ちが楽になりませんか?これらは、すべてタッチングが、もたらす効果です。

タッチングとは、手を身体に当てたり、摩ったりすることをいいます。アロマ&ケアでは、精油を植物油に希釈してアロマトリートメントを行ないます。このとき、血行が良くなるとともに手の温もりが身体へも伝わり、心も安心感を得るのです。さらにタッチングには、愛情ホルモンといわれる「オキシトシン」の分泌を促す作用が期待できます。

創作活動

手作り化粧品、アロマクラフト、精油のブレンドなど新しい物を作り出すことで得られる幸福感や充実感が大切です。

また、創作活動を通して、他人とコミュニケーションが取れるようになり、孤独感を和らげることができます。普段、まわりに合わせて生活している人や仕事や勉強を強いられている人が創作活動に集中すると、自分自身に目を向けることができます。

たとえば、精油選びという作業でも、自分の好きな香りを発見したり、自分自身の存在を確認したりと主体的になることができます。

はじめてのアロマクラフト~簡単!香り玉の作り方~

精油を使った手作りの作品をアロマクラフトといいます。手作りの芳香剤や香水など、幅広い意味で使われている言葉です。では、実際に挑戦してみましょう!簡単な「香り玉」の作り方をご紹介します。香り玉を空き瓶などに入れて、玄関に置くと可愛いインテリアになります。

 

材料

  • 石粉粘土                (100円ショップなどでも購入可能です)
  • 好きな精油
  • 精製水
  • 色を付けたい方は好きな色の絵具

 

作り方

  1. 精製水を手のひらにつけながら、石粉粘土を適量手に取り、転がしながら、好きな大きさの玉を数個作ります。
  2. 粘土が乾いたら、精油を小皿に数滴落とし、粘土を入れて転がし、出来上がりです。
  3. 色を付けたい方は、絵具で色水を作って粘土を転がせば、色付きの香り玉ができます。

 

Lesson8-4 まとめ

・うつ病になると嗅覚や味覚が鈍くなるという傾向がある

・「嗅覚障害」とは、ニオイの感覚が落ちる症状である

・好きな香りを嗅ぐことで、副交感神経を優位にしてリラックス効果を得ることができる

・手を身体に当てたり、摩ったりすることを「タッチング」という

・タッチングには、愛情ホルモンといわれる「オキシトシン」の分泌を促す作用がある

・精油を使った手作りの作品を「アロマクラフト」という

・タッチングやアロマクラフトは、「ストレスケア」に適している