Lesson9-2 乳児期、幼児期、学童期

1、乳児期(0~2歳)

乳児期は、基本的な愛着や信頼を形成する時期です。赤ちゃんは、親から食事や排せつなどのお世話をされたり、スキンシップを楽しんだりと無条件に愛されることで、愛着感情が生まれ人を信じる力が芽生えます。

赤ちゃんが親を信じる心が、将来自分自身を信じる心へとつながる最も重要な時期です。アロマ&ケアでは、芳香浴以外の精油の利用ができません。また、芳香浴を楽しむ場合も、香りの強さは控えめして下さい。

スヤスヤ眠りを誘う / ベビーマッサージ

1歳過ぎから植物油のみを使用したベビーマッサージができます。赤ちゃんは、親とのスキンシップが大好きです。ベビーマッサージをすると気持ちが安定し、寝つきがよくなるといわれています。そのほか、赤ちゃんの皮膚の保護や便秘解消にも役立ちます。

準備する物

タオル、ホホバ油 or スィートアーモンド油、暖かい室内

注意事項

  • 運動と同じような効果があるため、内臓疾患ある場合は行なわない
  • アトピーなど、肌が弱い場合には医師に相談する
  • 予防接種後、24時間以内には行なわない

方法

  1. 適量のオイルを手のひらに取り、手とオイルを温める
  2. 赤ちゃんに言葉をかけながら、お腹を時計回りに優しくなでる
  3. 次に、おなかの上に両手をおいて、肩にかけるようになでる
  4. おなか→肩→わき→わき腹の順番になでる
  5. 1回15分程度を目安に、様子を見ながら行なう

2、幼児期(2~4歳)

幼児期は、食事や排せつなどを子供自身がコントロールして自律性を身につける時期です。子供は、さまざまな物に興味を持ち、自分自身の力で物事を解決しようと自己主張をはじめます。2歳頃は、「第一次反抗期」、あるいは「イヤイヤ期」ともいわれ、子供が激しいかんしゃくを起こすこともあります

アロマ&ケアでは、3歳以上の子供から精油を利用することができますが、子供の体重を考慮して、大人の10分の1程度から2分の1程度の量が目安です。できるだけ控えめにしましょう。

親子で体験 ! 身近なアロマ&ケア

子供がいると、「精油を購入する時間がない」「手元に精油を置くことに抵抗がある」という方も多いはずです。そのようなときは、スーパーで購入できるレモンやオレンジの果実、ローズマリーやペパーミントのフレッシュハーブを精油のかわり使い、香りを感じてみましょう。

まず、果実の場合は果皮をむいて少しこすります。ハーブの場合は葉を指で揉んでください。みずみずしい香りが広がります。そのとき、子供と香りについてお喋りしてみましょう。「この香りは気持ちがいいね」「好きな香りだね」など香りを言葉で表現すると脳が「この香りはリラックスできる」と認識します。

すると、たくさんの香り中からでも、好きな香りだけを嗅ぎ取れるようになります。これを心理学では「カクテルパーティー効果」といいます。複数の情報の中から自分自身が必要とする情報をだけを選択できるという知覚です。

このような香りの体験は、子供の五感を鍛えるチャンスです。また、親にとっては香りに集中することで、子育ての不安や悩みから離れ、自分自身と向き合う貴重な時間になります。

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3、学童期(4~9歳)

学童期は、運動能力、物事の理解、言葉の数、五感などが発達する時期です。幼稚園や小学校など子供同士が共有体験をすることで、集団や社会のルールを学びます。しかし、最近ではテレビゲームやスマートフォンなどゲームを楽しむ子供が増えてきました。

子供が長時間ゲームをすると、脳の一部の機能が低下するという報告もあり、それが「キレる」子供やうつ病に関係しているのではないか、と考えられています。この時期は、身体を使った遊びや自然との触れ合いが大切です。

簡単な掃除を子供の仕事にする / レモン汁+重曹=アロマクレンザー

子育て世代の悩みの種といえば「毎日の掃除」ではないでしょうか?「食べこぼし」「おもちゃが散らかる」「子供が片づけをしない」など、掃除に追われている親も多いはずです。掃除の基本は、「元の状態に戻す」「元の場所に戻す」という作業です。これが、習慣化すれば、親も子も負担になりません。

まずは、テーブル拭きなど簡単な掃除を子供の仕事にしましょう。掃除を任せることで、子供自身に責任感が生まれ、掃除が終われば達成感を得て自分に自信がつきます。しかし、子供は楽しくなければ続きません。そこで、掃除に「香り」を取り入れることがポイントになります。

シンクの汚れ&インク汚れに・・・

準備する物 

重曹、重曹を入れる容器、レモン、割り箸、スポンジ

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レモンも重曹も、自然素材なので子供の手に触れても安心です。また、レモンには「抗真菌作用」「抗ウィルス作用」「消臭効果」があります。

方法

  1. 重曹を容器に適量入れ、レモン汁を数滴落とし、割り箸を使って混ぜます
  2. シンクやお風呂などのヌメリが気になるところに、作った重曹をふりかけます
  3. スポンジでこすり、水で流します
  4. 余ったレモンの皮は、テーブルや机に書いてしまったマジックのインク汚れを落とすのに使います

 

Lesson9-2 まとめ

・「乳児期」は、愛着や信頼を形成する重要な時期である

・「乳幼児」は、芳香浴以外の精油の利用ができないため、「ベビーマッサージは植物油のみ」で行う

・3歳以上の子供が使用する精油の量は、子供の体重を考慮して、大人の10分の1程度から2分の1程度が目安である

・「学童期」は、運動能力、物事の理解、言葉の数などが発達する時期である

・果実やフレッシュハーブを使って、アロマ&ケアを楽しむ方法もある

・レモンには「抗真菌作用」「抗ウィルス作用」「消臭効果」がある