ビジネスパーソンの悩みといえば、「加齢臭」「通勤ラッシュの混雑した人のニオイ」「足の嫌なニオイ」など、ニオイに関する問題です。不快なニオイは、相手に悪い印象を与えてしまいます。
では、不快なニオイを出さないためにはどうすれば良いのでしょうか。ここでは、ビジネスパーソンに役立つ香りのマナーとアロマ&ケアについて学びます。
香りのTPO
自分にとって「快適な香り」でも、他人にとってはどうでしょうか?もしかすると「不快な香り」と感じているかもしれません。精油を含め香りには、「揮発性」があり「自然に蒸発していく性質」があります。そのため、自分が身に付けている香りでも、まわりにも影響を与えるものです。
香水、柔軟剤、アロマ&ケアに使用する精油であっても、香りを放つ物を使用するときは、その使用量が過度にならないように気を付けなければなりません。本来、香りは華やかなシーンで使うものです。香りのマナーを守って使用するようにしましょう。

注意が必要な場所
・病院
・オフィス
・幼稚園や学校など子供がいる場所
・お通夜やお葬式
気になる自分のニオイ
スーパーや薬局の店頭には、さまざまなデオドラントグッズが並んでおり、自分のニオイを気にする人が増えています。これは、体臭の原因がわかり、その臭いを自分自身でコントロールできるようになったためです。では体臭とは、いったい何なのでしょうか?
体臭とは、生まれつき持っているニオイと香水やシャンプーなどのように外からつけたものが混ざり合ってできたニオイです。その他に、人種、生活環境、食事なども関係しています。また、病気の人には特有の体臭があります。
たとえば、糖尿病の人からは甘酸っぱいニオイがしたり、肝臓機能の低下している人からはアンモニア臭がしたりと、体臭が病気のサインになることもあります。もし異常なニオイを感じたら、医療機関へ相談しましょう。
汗のニオイ
大量の汗をかくと「汗臭い」といいますが、実は、かいたばかりの汗は無臭です。そもそも汗の成分は、約99%水で、残りは微量の塩分、尿酸、乳酸などです。
人間には、汗を出す汗腺が2種類あります。ニオイに関わるのはアポクリン線の汗です。この汗も、本来は無臭ですが、そこに含まれる少量のタンパク質、脂質、糖質を細菌が分解し、酸化され特有のニオイが発生するのです。
ニオイを防ぐためには、こまめに汗をふき取ることです。濡れタオルを使用すると、皮脂や雑菌をふき取れるのでより効果的です。革靴などで足のニオイが気になる人も、とにかく汗を放置しないことです。
もし放置すると、蒸れてふやけた足に雑菌が繁殖してしまいます。昼休みなどは、トイレで足を拭くとニオイ対策になります。さらに清潔にした皮膚に、殺菌作用や抗菌作用のある精油を使用したアロマスプレーをひと吹きすれば効果的です。
汗腺とは
- エクリン汗腺(小汗腺)全身にある汗腺です。暑いときや緊張したときに汗を出します。色はなく、サラサラとした汗です。
- アポクリン汗腺(大汗腺)わきの下、おへそ、耳、陰部など一部にある汗腺。黄色みがあり、粘りがあるような汗です。
加齢臭と衣服
中年になるときつくなるニオイを「加齢臭」といいます。この原因は、「ノネナール」という物質です。ノネナールは、加齢とともに増加する脂肪酸が皮脂と一緒に分泌され、細菌によって酸化したり分解されたりすることで発生する物質です。
つまり、加齢臭の原因は「皮脂」です。皮脂を増やさないためには、脂っこい食事を控え、身体の酸化を防ぐために抗酸化作用のある「緑黄色野菜」を食べることです。
また、よく「枕が臭う」といいますが、これは身体の皮脂が枕に付着し、その後、酸化してニオイを発生させたことが原因で起こります。
衣服も同様、皮脂が付着するものは嫌なニオイを発生しやすいため注意しましょう。毎日洗えないセーターやスーツには、アロマスプレーをひと吹きするとニオイ対策になります。
ニオイ対策用アロマスプレー
材料:精油6滴、無水エタノール5ml、精製水25ml、スプレー容器、ラベル
作り方:無水エタノールをスプレー容器に入れ、精油を垂らし、ふたをしてよく振り混ぜる。最後にラベルを貼り、出来上がりです。
注意:衣服や家具などにスプレーすると、変色する場合があるので注意して下さい。
おすすめ精油

- ティートリー6滴(抗真菌作用の威力で、水虫のケアにも最適です)
- グレープフルーツ2滴:サイプレス2滴:ジュニパー2滴(爽やかでウッディーな香りで、皮脂のバランスを整えます)
- レモン3滴:ローズマリー3滴(スッキリした清涼感のある香りで、男性向きです)
Lesson9-4 まとめ
・病院、幼稚園や学校など子供がいる場所、お通夜やお葬式などでは香りの強さに注意する
・体臭には、人種、生活環境、食事なども関係している
・糖尿病の人からは甘酸っぱいニオイがしたり、肝臓機能の低下している人からはアンモニア臭がしたりと、体臭が病気のサインになることがる
・人間には、「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」の2種類の汗腺がある
・「ノネナール」という物質が原因となり、中年になるときつくなるニオイを「加齢臭」という
・衣類や枕に「皮脂」が付着すると嫌なニオイが発生する場合がある
・「緑黄色野菜」には、身体の酸化を防ぐ抗酸化作用がある
・「精油」「無水エタノール」「精製水」を使って、アロマスプレーを手作りすることができる
・水虫のケアに抗真菌作用のあるティートリーの精油が有効である