Lesson10-1 部屋と掃除術

あなたは、今日どんな服装を選びましたか?カジュアルなスタイルでしょうか、それとも仕事用のスーツでしょうか。

私たちが、そのときのシーンに合わせて服装を選ぶように、香りもまたそのときの空間や季節によって選ぶことができます。ファッションを楽しむような感覚で、暮らしを香りでコーディネートしてみましょう!

お部屋を演出する香り

見慣れたいつもの部屋に香りをプラスだけで、その部屋の印象は大きく変化します。たとえば、玄関はどうでしょうか?お客様を出迎える玄関は、家の顔ともいわれる場所です。清潔さも大切ですが、誰からでも好かれるような香りや清潔感のある香りがすると、人が入りやすい雰囲気を作り出すことができます。

実際、ホテルやデパートなどの企業でも香りによるおもてなしが導入されており、施設内に特別な香りを漂わることで、お客様に非日常感を提供しています。

精油の選び方は、香りの好き嫌い、精油の作用や使いやすさなどさまざまありますが、空間や部屋に合わせて香りをイメージし、精油を選ぶというのもひとつの方法です。

代表的な香りのイメージと精油成分(その作用)

精油名
イメージ
精油の成分(その作用)
ラベンダー
穏やか、落ち着いた、優しいフローラル
リナロール(殺菌作用)
酢酸リナリル(鎮痛作用)
ペパーミント
スッキリ、清涼感、クール
メントール(殺菌作用)
レモングラス
フレッシュ、レモンのような、南国
シトラール(殺菌作用)
ゼラニウム
バラのような、華やかな甘さ、女性的
ゲラニオール(鎮痛作用)
オレンジ・スィート、レモン
柑橘系、スッキリ、みずみずしい果実
リモネン(食欲増進作用)

お部屋 × 精油 × 掃除術

お部屋に素敵な香りを広げるには、定期的な掃除がポイントになります。掃除で嫌なニオイを撃退しつつ、それぞれの部屋に合わせて精油をコーディネートしてみましょう!

玄関 

消臭効果のある重曹と精油の作用を上手く活用して、玄関を明るい印象にしましょう。

  • リフレッシュ作用があり、気持ちを明るくする香り・・・オレンジ・スィート、グレープフルーツなどの柑橘系
  • 清涼感のある香り・・・ペパーミント、ユーカリ
  • 下駄箱のニオイ対策・・・レモングラス

アロマシューズキーパー
小さくなった子供の靴下、古くなった靴下を再利用しましょう。靴下に重曹を詰めてレモングラスの精油を数滴垂らし、紐で結び、シューズキーパを作ります。それを靴の中に入れるか、下駄箱に置いておきましょう。足の嫌なニオイの軽減になります。

トイレ

特有のアンモニア臭はアルカリ性の汚れです。酸性のクエン酸スプレーを使って中和させ汚れをこまめに拭き取りましょう。

  • 嫌なニオイを消臭・・・サイプラス、レモングラス、ベルガモット
  • 抗菌&殺菌、カビ対策・・・ラベンダー、ティートリー

クエン酸スプレー
クエン酸小さじ1と好きな精油を数滴混ぜたものを、水200ccで溶かして作ります。便器の外側や便座にクエン酸スプレーをひと吹きして、トイレットペーパーで拭き取ると、気になるニオイもスッキリします。

キッチン&リビング

油汚れやフライパンなど酸性の汚れには、アルカリ性の重曹を使って中和させることが掃除のポイントになります。

  • 食べ物のニオイを消臭・・・レモン、ペパーミント、サイプレス
  • 空気の清浄化、風邪予防・・・ユーカリ、ティートリー
  • リビング学習に・・・ローズマリー

重曹クレンザー
コンロの油汚れに、重曹を振りかけます。その後、アクリルたわしなどで軽くこすると汚れが落ちます。重曹に精油を混ぜて使えば、爽やかな香りがキッチンに広がります。仕上げにクエン酸スプレーをして布で拭くとさらに効果的です。その他にも、重曹は生ゴミにかけて消臭したり、湯飲みやコップの茶渋とりに使ったりとキッチンの万能アイテムです。

和室

和室に似合う香りといえばお香です。お香は、直接火をつけて香りを楽しむものが多く、その形もさまざまです。精油では、畳や木目調などを意識してウッディーな香りで演出すると良いでしょう。

  • 和を演出する香り・・・サイプレス、ヒノキ、シダーウッド

アロマで掃除機
精油を数滴落としたコットンを、掃除機のフィルター部分(紙パックの中)に入れます。掃除機をかけると、良い香りが漂ってきます。

寝室

布団やベッドマットは、湿気がこもりやすいため、定期的にベランダに出して天日干ししましょう。寝室やクローゼットには、サシェを置いて好きな香りを楽しむと良いでしょう。

  • リラックスできる香り・・・オレンジ・スィート、ラベンダー、スィートマジョラム
  • 防虫対策:ラベンダー+ベルガモット、ゼラニウム+ラベンダー

Tero Vesalainen/ shutterstock.com

サシェ
精油を3滴程度、厚めのコットンに染み込ませ、それを小さな封筒(お年玉袋や布袋など)に入れ、封を閉じ、サシェを作ります。精油が封筒に染みる場合があるため、コットンや封筒は慎重に選びましょう。リボンなどを使って可愛いサシェを作れば、インテリアにもなります。

Lesson10-1 まとめ

・精油の香りを利用して非日常的な空間を演出することもでき、実際に企業でも導入している

・ラベンダーの精油成分である「リナロール」やレモングラスの精油成分である「シトラール」の殺菌作用を活用して、掃除に役立てることができる

・キッチンの油汚れなど酸性の汚れに対しては、アルカリ性の「重曹」で中和させて掃除する

・トイレのアンモニア臭などアルカリ性の汚れに対しては、酸性の「クエン酸スプレー」で中和して掃除する