精油は、自然の植物の状態から100倍近く濃縮された高濃度の液体です。そのため、香りは強く、作用もパワフル。使用方法を誤ると、気分が悪くなることさえあります。原液を皮膚に塗らない、飲まないなど「基本的なルール」、そして、もしものときの「応急処置」をしっかり覚えましょう。
基本ルール
- 原液を直接、皮膚に塗らない
- 飲まない
- 目に入れない
- 火のまわりに置かない
- 子供やペットの近くには置かない
- 適度に換気をする

精油の危険性
1、妊娠中・授乳中の方
芳香浴以外、精油の利用はおすすめできません
妊娠中や授乳中の方は、たとえ風邪を引いても、赤ちゃんへの影響を考え、薬が制限されます。それと同じように、妊娠中や授乳中に使用できない精油もあります。もし、芳香浴以外で(アロマトリートメントなどで)精油を使用するときは、必ず医師に相談して下さい。とくに、神経毒性や通経作用のある精油には注意しましょう。
2、0歳~1歳くらいの赤ちゃん
芳香浴以外、精油の利用はできません
小さな子供は、香り対して敏感です。また、体重も少なく、抵抗力も弱いため、精油の影響を受けやすい傾向があります。芳香浴を行なう際も、香りを控えめにしましょう。
3、1歳~3歳くらいの乳幼児
芳香浴以外、精油の利用はできません
芳香浴を行なう際も、香りを控えめにしましょう。また、精油が直接皮膚に触れるようなアロマ&ケアもできません。そのため、ベビーマッサージをするときは、精油は使用せず、植物油のみで行ないましょう。
4、3歳以上の子供
精油の使用量は、大人の10分の1程度から2分の1程度まで
精油を使用するときは、その子供の体重を考慮して下さい。子供は、香りに対して敏感なうえ、成長速度が違います。体重に応じて、大人の10分の1程度から2分の1程度とし、できるだけ控えめに使用することが基本です。
【例】 大人の体重 50 キログラム : 精油 4 滴
= 子供の体重 25 キログラム : 精油 2 滴まで
5、通院中や薬を服用している方
精油の利用する場合、必ず医師に相談して下さい
精油には、薬の作用を妨げる成分が含まれる場合があります。精油を使用するときは、必ず医師に相談して下さい。
6、お年寄り・敏感肌・アレルギー体質の方
できるだけ控えめに使用するように心掛けましょう
使用量は、「4、3歳以上の子供」と同じくらいです。ただし、皮膚刺激(精油が皮膚に接触することで起こる刺激、かゆみなどの炎症)や感作性(アレルギー/免疫による反応)のある精油には注意しましょう。
応急処置

- 芳香浴中に、気分が悪くなったとき
→ すぐに窓を開け、換気をする - 原液が皮膚についたとき&精油を植物油に薄めて皮膚に塗ったが刺激を感じる
→ 大量の清潔な水で、30秒以上洗い流す - 誤って精油を飲んでしまったとき
→ 大量の水で口の中をすすぎ、飲み込んだ場合でも、吐かせず(粘膜を傷つけないため)、医師の診察を受ける - 目に入ったとき
→ 大量の清潔な水で目を洗い、こすらないようにする。その後、医師の診察を受ける
*その他、精油を使用中、湿疹・刺激感・発疹が残ったり、何らかの異常を感じたりした場合は、すぐに使用をやめて、医師に相談しましょう。
シミの原因になる光毒性とは
対象となる精油: グレープフルーツ、ベルガモット、ユズ、ライム、レモンなど
「光毒性」とは、精油を皮膚に塗った後、紫外線(太陽光)にあたることで起こる炎症のことです。一般的に、柑橘系やラクトン類の精油には光毒性があり、ベルガモットの精油に含まれる「ベルガプテン」という成分もそのひとつです。
アロマトリートメントなどでこれらの精油を使用した場合、12時間は紫外線にあたらないようにしましょう。また、ベルガプテンを取り除いた「ベルガプテンフリー」の精油もあります。アロマトリートメントなどにはこちらが向いています。
Lesson3-1 まとめ
・精油は、「直接皮膚に塗らない」「飲まない」「目に入れない」など基本ルールを守って使用する
・「妊娠中」や「授乳中」は、芳香浴以外の精油の利用はすすめない、またアロマトリートメントで精油を使用する場合は、医師に相談する
・「乳幼児」には、芳香浴以外の精油の利用はできない
・「3歳以上の子供」に対しては、体重に応じて精油の使用量を決める
・「薬を服用中の方や通院中の方」が、精油を使用する場合は、必ず医師に相談する
・「お年寄りやアレルギー体質」など、体調や体質に注意して精油を控えめに使う
・「誤って精油の原液が肌についてしまった場合」は、大量の水ですすぐ
・「誤って精油を飲んでしまった場合」は、吐かせず、大量の水で口をすすぐ
・ベルガモットの精油には光毒性があるため、アロマトリートメントで使用する際には注意が必要である