精油ボトルは、各メーカーによって、形、色、サイズなどが異なります。使用前に、必ず取扱説明書を読み、その取扱説明書はいつでも取り出せるように手元に残しておきましょう。
一般的な精油ボトルは、茶色や青色などの遮光性のガラス容器です。1本の精油ボトルには5~10mlの精油が入っており、斜めに傾けると1滴ずつ、精油が落ちるような仕組みになっています。
ただし、粘着性のある精油は、精油ボトルからスポイトで取り出すものもあります。

精油の保管場所
精油は、酸素に触れると劣化してしまうため、使用後はすぐにキャップを閉めます。保管場所は、光や熱、高温多湿を避けた冷暗所がベストです。引火する可能性があるため、台所など火のまわりは避けて下さい。そして、子供やペットの手の届かない所に保管して下さい。
精油の保存期間
未開封の場合は約2年、開封済みの場合は約1年です。ただし、柑橘系の精油は劣化が早いため開封後6か月以内使用して下さい。
また、精油ボトルや取扱説明書には「品質保持期限」が書かれていることがあります。品質保持期限とは、食品でたとえると消費期限のようなものです。精油は、品質保持期限を過ぎると酸化が進み、身体に悪影響を与えるといわれています。
そのため、品質保持期限を過ぎた精油は、沐浴やアロマトリートメントなど皮膚に触れるような利用法は危険です。精油は、新鮮なうちに使い切り、品質保持期限を守りましょう。もし古くなった精油が残っていても、皮膚には使わず、芳香浴や掃除などに活用しましょう。

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精油の希釈法
基本ルールで「原液を直接、皮膚に塗らない」とありましたが、精油は、植物油で薄める=希釈によって、皮膚につけることを可能にします。ブレンドオイルや手作り化粧品(トリートメントオイルなど)をつくるために、希釈法を勉強して、自分で計算できるように練習しましょう。
希釈の基本
- 希釈濃度は1%以下 (精油の種類や使用する人の健康状態を考慮し、最初は低い濃度から使用しましょう)
- 精油は1滴 約0.05ml (各メーカーによって異なるため、確認してください)
- 植物油5ml+精油1滴=1%の濃度のオイル
問題1、植物油50mlがあります。濃度1%のオイルをつくるためには精油は何滴必要ですか?
精油の量を計算します→ 50ml×0.01=0.5ml
何滴必要か計算します→ 0.5ml÷0.05ml=10滴
答え、10滴
問題2、植物油30mlがあります。濃度1%のオイルをつくるためには精油は何滴必要ですか?
精油の量を計算します→ 30ml×0.01=0.3ml
何滴必要か計算します→ 0.3ml÷0.05ml=6滴
答え、6滴
問題3、植物油10mlがあります。濃度0.5%のオイルをつくるためには精油は何滴必要ですか?
精油の量を計算します→ 10ml×0.005=0.05ml
何滴必要か計算します→ 0.05ml÷0.05ml=1滴
答え、1滴
問題3、植物油40mlがあります。濃度0.5%のオイルをつくるためには精油は何滴必要ですか?
精油の量を計算します→ 40ml×0.005=0.2ml
何滴必要か計算します→ 0.2ml÷0.05ml=4滴
答え、4滴
トラブルを防ぐためのパッチテスト
化粧品やヘアカラーのパッケージには、肌トラブルを防ぐために「使用前にパッチテストをして下さい」と書いてあります。アロマ&ケアも同じです。トリートメントオイルや手作り化粧品を使う前は、パッチテストを行ないましょう。
パッチテストの方法
まず、精油を植物油で希釈したブレンドオイルを用意します。そのブレンドオイルをひじの内側、皮膚の柔らかい部分に塗ります。
その後、24時間から48時間放置し、様子を確認します。もし、異常が発生した場合は、その時点で大量の水で流して下さい。問題がなければ、そのブレンドオイルは使用可能です。

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Lesson3-2 まとめ
・精油を使用する前に、精油の取扱説明書をよく読み、取扱説明書は手元に残しておく
・精油の保管場所は、「光や熱、高温多湿の場所を避ける」
・精油には「引火性」があるため、火のまわりに置かない
・基本的に、精油の保存期限は、「開封後1年」、「柑橘系は6か月以内」である
・精油の「品質保持期限」を守って使用する
・トリートメントオイルを手作りする場合、「希釈濃度は1%以下」が適切である
・20mlの植物油でトリートメントオイルを手作りするとき、使用できる精油の量は4滴以下である
・100mlの植物油でトリートメントオイルを手作りするとき、使用できる精油の量は20滴以下である
・トリートメントオイルを使用する前には、安全を確認するために「パッチテスト」をする
・パッチテストとは、使用する予定のオイルを一部の皮膚に塗布して「24時間から48時間」置いたあと、異常が起きないか確認することである